2018年06月01日

日本初のプロ卓球選手・Tリーグ代表理事 松下浩二氏【前編】~東俊介のアスリート対談~ 第一弾

突然ですが、今回から新企画「東俊介のアスリート対談」を不定期でお送りしていきます!この企画ではAuB顧問であり元ハンドボール日本代表の東俊介がインタビュアーとなり、現役アスリートから元アスリートまで様々な方にお話を聞いていきます。アスリート同士だからこそ聞ける話が満載!是非ご期待ください!

 

さて、そんな記念すべき第一弾となる今回は、現在大きな盛り上がりを見せているTリーグから、代表理事・専務理事の松下浩二氏をお招きしてお話を伺いました。松下氏は日本人初のプロ卓球選手として長年ご活躍され、現在はTリーグを含め卓球の普及活動に務められています。

インタビューは前編・後編の全2回に分けてお送りします。今回お送りする【前編】では現役時代のコンディショニングやトレーニングについてお話いただきました!

 

— 本日はよろしくお願いいたします!早速最初の質問なのですが、松下さんは現役時代、食生活の管理はどのようにされていましたか?

私は身体が要求しているものを素直に食べていました。お肉を欲していればお肉を食べますし、野菜を欲していれば野菜を食べます。「今日はこれを食べなければいけない」などの無理はしていなかったですね。ただ、サプリメントは用意していたのでそれで補うことはありました。

 

— どのようなサプリメントを摂られていたんですか?

栄養素系のサプリを摂っていました。ビタミンBとCが中心で、時々ビタミンEも摂っていましたね。と言っても、昔のサプリなのでただ口に入れているだけでした。本当にこの摂り方で正しいのかなと疑問に思うこともありましたよ。なので、私はサプリは自分のパフォーマンスを向上させるものではなく、自分の体調を普通の状態に戻してくれるものだと考えていました。そもそも普段の食生活に気を使っていれば、サプリは必要ないのかもしれないですしね。

 

— 海外リーグでプレーされていた際に、食事で困ったことなどはありましたか?

特にないですね。あまりこだわりがないので、そこにあるものを食べていました。他の選手は遠征時などにはレトルトなどを持参していましたが、私は一切持って行ってなかったです。その土地にあるもので十分でした。なので、日本食が過剰に恋しくなるということも特になかったですね。

 

— ちなみに現役時代にお酒などは飲まれていましたか?

現役の時はお酒を一滴も飲んでいなかったですね。ドイツのブンデスリーガでもプレーしていたのですが、そこの選手はストイックな人がとても多くてお酒を飲むような選手は全くいなかったです。

 

— そうなんですね!ハンドボール選手は結構飲むんですよ。

競技性もあると思うのですが、卓球は小さいところをピンポイントで狙っていく必要がありますし、集中力を非常に必要とします。そのような感覚的なところがずれてしまうと、パフォーマンスが下がってしまう競技なので、殆どの卓球選手は基本的には飲まないと思いますよ。もちろん飲めないわけではないので、祝勝会などで祝杯という形で軽く飲むことはあるかもしれませんけどね。

 

— なるほど、ありがとうございます。では次の質問ですが、睡眠はどのようにされていましたか?気をつけていたことやこだわりなどはありますか?

気をつけていたことなどはないですが、現役時時代はとにかく寝ていましたね。1日10時間ぐらいは寝ていたと思います。

 

— 長いですね!そうなるとトレーニングは1日何時間ぐらいされていたんですか?

そうですね、大体8時間ですね。朝9時から12時まで午前中の練習を行って、海外の場合だと昼寝もするので午後の練習は3時ぐらいから集まって8時、9時ぐらいまでトレーニングしていました。ですが、今の選手はもっと練習していると思います。

 

— かなりハードですね。私の現役時代は8時間も練習していなかったと思います。ただ、ハンドボールはコンタクトスポーツなので、競技特性の違いはあるかもしれませんね。

そうですね、卓球はハビット(習慣)スポーツなので、反復練習が何よりも大事なんです。

 

— なるほど。また質問が変わりますが、ご自身の現役時代と今の選手たちを比較してみて何か違いを感じますか?

インターネットがあるのが羨ましいですね。私が初めて海外でプレーした1997年には、パソコンも普及していなかったので、海外にいる人とのコミュニケーションもそうですが、チケットやホテルの手配も大変でした。
Tリーグ松下氏

— 今の時代は本当に便利ですよね。ちなみに、トレーニング方法に違いを感じることはありますか?

トレーニングはだいぶ変わったと思います。私の現役時代はとにかく暇さえあれば走れと言われていたのですが、今の選手はそれほど走っていないと思います。走ったとしてもインターバルやダッシュでしょうね。あとは、昔に比べてウェイトトレーニングをやっている選手が多いと感じます。

 

— なぜトレーニング方法は変わったのでしょうか?

卓球の試合時間が現在と昔とでは違うことが原因の一つだと思います。昔は1試合がとても長かったんです。昔は1ゲーム21点先取制でしたが、現在は1ゲーム11点先取制なので倍違います。あとは、団体戦の試合の数も昔の方が多かったですね。今は世界大会などでは先に3勝した方が勝ちですが、私の現役時代は5勝でした。なので、最後までもつれた場合は、9試合していたことになります。(現在だと最後までもつれても5試合)そういう持久戦なので、とにかく体力が必要でした。

 

後編に続く

 

インタビュイー:松下 浩二(まつした こうじ)

1967年8月28日生まれ、愛知県豊橋市出身。1993年に日本人初のプロ卓球選手となり、全日本選手権シングルス4度優勝。1992年のバルセロナ五輪から2004年のアテネ五輪まで4大会連続で出場。国内のみならず、スウェーデン、ドイツ、フランスの欧州リーグでもプレー。
2009年に現役を引退。現在は、日本の新リーグ「T リーグ」の代表理事・専務理事を務める。

 

インタビュアー:東 俊介(あずま しゅんすけ)

1975年9月16日生まれ、石川県金沢市出身。元ハンドボール日本代表キャプテン
大崎電気にて9度の日本一。日本ハンドボールリーグ通算400得点。現役引退後、早稲田大学スポーツ科学学術院にてスポーツマネジメントを学び、修士論文は優秀論文賞を受賞。日本ハンドボールリーグ初代マーケティング部長。現在は琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社にて取締役を務める他、数社のアドバイザーを務める。
2017年9月からAuB株式会社に社外顧問としてジョイン。