2017年09月08日

スポーツ栄養士 杉島有希が語る「栄養と腸内フローラの関係」

みなさん初めまして。今回のコラムを担当させてもらうことになったスポーツ栄養士で大学助教の杉島有希(すぎしまゆうき)です。

私の専門は「スポーツ栄養学」という分野なんですが、みなさん聞いたことありますか?

特に日本ではまだまだ発展途上の新しい学問。「スポーツ栄養士」という資格も数年前にできたばかりの資格なので、「何をやってる人なの?」と思われるかもしれませんね。

私の仕事を一言で言うと。。。「スポーツをする人の栄養管理のスペシャリスト」です。普段は大学にて教壇に立つ傍ら、スポーツ栄養士として、サッカー、ラグビー、ボクシング、レスリングなど、様々な競技種目の選手に対する栄養学的なサポートを行っています。

 

 

 

 

アスリートが最高のパフォーマンスを発揮するためには、それぞれの競技特性に合わせた体格や身体組成(身体の成分組成、身体が何でできているかということ)が求められます。

たとえば、陸上の長距離種目なら長時間にわたって自分の体重を動かし続けるという競技特性を持つため、体重が軽い方がパフォーマンスは高くなると考えられています。一方、シンクロナイズドスイミングのような競技では、水に浮きやすくするため、水に浸かり続けることによる体温喪失を防ぐため、適度な体脂肪の蓄積が有効であると考えられています。

競技特性によって求められる体格や身体組成を目指すためには、トレーニングだけではなく適切な栄養摂取が不可欠となります。なぜなら、私たちの「体は食べた物でできている」からです。

実は最近、この「体」と「食べ物」と「腸内フローラ」に深い関係があることがわかってきました。

様々な研究により、腸内フローラが栄養素の消化吸収を助けたり、ビタミンの合成に関わることが明らかになってきました。また、食べ物や食生活の違いによって腸内フローラが大きく変化することやそれにより感染症のリスクを下げたり、免疫機能を改善させることも分かってきました。

 

つまり「体は食べた物でできている」ではなく、正確には「体は、腸内フローラの助けによって食べた物から吸収されたものでできている」ということになるわけです。

 

アスリートがベストコンディションで長く競技を続けるために、腸内フローラの解析によるコンディショニングがこれからのスポーツ界のスタンダードになってくるかもしれませんね。



 

 

 

 

 

杉島 有希(Yuuki Sugishima)

至学館大学健康科学部栄養科学科助教。管理栄養士。
日本体育協会公認スポーツ栄養士。
日本スポーツ栄養学会評議員。熊本県立大学卒業後、同大学院修了。
2010年より現職。スポーツ栄養の専門家集団である至学館大学スポーツ栄養サポートチーム(略称SNST)の代表として、延べ5千人以上のプロ、アマ、学生、ジュニアアスリートの栄養サポートを行う。
リオ五輪では女子レスリング選手団に栄養アドバイザーとして帯同。 スポーツ栄養に関する講演、執筆活動のほか、アスリート向け食トレアプリの開発や研究活動など幅広く活躍中。
AuBの研究チームの一員として参画中。