2017年09月22日

論文紹介 シンバイオティクスによってトライアスロンの成績向上を目指す

3回連続の集中掲載で”栄養と腸内フローラの関係”について情報をお届けしているAuBのActivity記事、3回目の今回は論文紹介です。

今回紹介する論文の研究目的は、長時間の激しい運動によって胃腸の不調を起こすことがあるのですが、それを防ぐための予備的な調査です(1)。

そのため、この論文では、10人のトライアスロン選手がレース前の12週間シンバイオティクス(※)を摂取し、摂取していない10人の選手を比較対象とすることにより効果を検証しています。

シンバイオティクスの内容は、プロバイオティクスとして2種類の乳酸菌と2種類のビフィズス菌、プレバイオティクスとしてフルクトオリゴ糖というオリゴ糖の1種でした。その結果、シンバイオティクスを摂取することがアスリートのコンディショニングにも有益となる可能性が示されました。また、この論文ではα-リポ酸という抗酸化物質の効果も検討していたのですが、説明を簡潔にするため、今回はシンバイオティクスの効果に話を絞って紹介しました。

 

 

 

 

さて、アスリートのパフォーマンスの向上を目指すAuBにとって、このトライアスロンレースの結果は非常に気になるところです。

その気になるレースの結果は、シンバイオティクスをしていない選手の平均が14時間12分51秒であったのに対し、シンバイオティクスを摂取した選手の平均は12時間47分13秒であったものの、この成績の違いはシンバイオティクスの効果ではないとこの論文では結論づけています。

数字だけを見ると違っているようなのですが、比較をしたのがトライアスロンの初心者でトレーニング方法もバラバラなどの条件を考慮すると、このような結論になってしまうのです。特に、比較人数が10人のみという影響が大きく、こうした研究には多くの被験者の参加が必要になります。

AuBの研究もまだまだ始まったばかりですが、日々更新されるアスリートの腸内フローラ研究の結果を発信していきます。今後の活動への応援、ご協力をよろしくお願いいたします。共に日本のスポーツ界を盛り上げていきましょう。

前々回の杉島先生のコラムはこちら

※今回の記事で話題にしているシンバイオティクスなどの用語については前回の記事で説明をしています。前回の用語説明の記事「プロバイオティクスとプレバイオティクス」はこちら

 

  1. Roberts JD, Suckling CA, Peedle GY, Murphy JA, Dawkins TG and Roberts MG. 2016. An Exploratory Investigation of Endotoxin Levels in Novice Long Distance Triathletes, and the Effects of a Multi-Strain Probiotic/Prebiotic, Antioxidant Intervention. 8(11):E733.