2017年12月08日

元ハンドボール日本代表 東俊介が語る「アスリートにおけるセカンドキャリア」

初めまして。元ハンドボール選手の東俊介です。
今回はアスリートにおけるセカンドキャリアについてお話させていただきます。

近年、アスリートのセカンドキャリアに関する問題が注目されています。

2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、日本を代表し、世界で戦ってきたトップアスリートが現役引退後に経済的に困窮したり、やりがいを見つけられずに苦労したりしている状況が問題視され、様々な対策が講じられています(現役選手についても様々な問題があるかと思いますが、今回は割愛させていただきます)。

その多くがアスリートの特性を活かし、支援しようというものになっていますが、果たして効果的に機能しているのかといえば、個人的には疑問符がつくように感じています。

私自身は企業に正社員として勤務しながらトレーニングに取り組む「実業団選手」として現役生活を過ごし、引退後はそのまま所属企業での業務に従事する生活を過ごしてきましたので、大きな問題はなく、セカンドキャリアに進むことができました。

実業団選手の場合についても業務に専念していた同期入社の仲間たちと比較して、業務スキルが身についていないなどの問題が顕在化する場合もありますが、セカンドキャリアにおける主な問題は「プロ選手」と呼ばれる競技にのみ集中して現役生活を過ごした選手の引退後についてです。

 

アスリートの持つ競技における高度な専門的スキル(野球であればバッティングやピッチング、フィールディングなど)は、ピークアウトの後、衰えていき、トップレベルを維持することはできません。つまり、そのスキル【のみ】で一生食べていくことはほとんどの競技のアスリートにとって不可能だと言えます。

 

極端な話になりますが、【野球が上手い】というスキルはプロ野球以外の世界ではお金にならないですし、【野球が上手い】というスキルはどんどん衰えていってしまうので価値が下がっていってしまうのです。

以上のことを踏まえると、アスリートは現役時代は競技に集中し、専念すべき、という考えは、あまりにリスキーだと言えるのではないでしょうか。

一日は24時間あります。

もし、仮に8時間睡眠し、8時間をトレーニングやコンディショニングにあてたとしても、残りは8時間あります。

アリとキリギリスではありませんが、私は、この8時間をどのように活用するかでセカンドキャリアが決まるのではないかと考えています。

トップアスリートは、トップアスリートであるからこそ行ける場所やできる経験があり、会える人がいます。

その強みを活かしつつ、現役引退後のことを引退してから考えるのではなく、一番の強みを持つ現役時代から見据え、強みを活かして行動していくことがより充実したセカンドキャリアを送ることにつながると考えます。

つまり、アスリートにとって、現役時代がファーストキャリア、引退後がセカンドキャリアと区切って考えるのではなく、人生のうちの一時期が現役選手であり、そこでの経験を活かしてよりよい人生を送るための【トータルキャリア】を意識して日々行動することが重要なのではないかと思います。


そして、私も参画しておりますAuBでは現役引退後、アスリートの為に何が出来るかを元アスリートが集まってサポートしています。

私自身もアスリートOBとして、アスリートが世間から支援されるのではなく、必要とされ、当然のように活躍する社会に向け、少しでも貢献していきたいと考えています。

東 俊介選手プロフィール写真

 

 

 

 

 

 

東 俊介 プロフィール

石川県金沢市出身。元ハンドボール日本代表キャプテン
大崎電気にて9度の日本一。日本ハンドボールリーグ通算400得点。
現役引退後、早稲田大学スポーツ科学学術院にてスポーツマネジメントを学び、
修士論文は優秀論文賞を受賞。日本ハンドボールリーグ初代マーケティング部長。
現在は株式会社藤商にてNeoSportsProjectGMを務める他、数社のアドバイザーを務める。
2017年9月からAuB株式会社 社外顧問としてジョイン。