2017年12月15日

腸は免疫の前線基地 ービフィズス菌、乳酸菌がアレルギーを改善する?

12月1日、この冬もインフルエンザが全国的な流行期に入ったことを厚生労働省が発表しました。そして、もうすぐ花粉症の季節もやってきます。そこで、今回のActivityは腸と免疫との関わりについてお伝えします。

花粉症は花粉に対して免疫が過剰に反応することによって起こるアレルギー疾患です。そして、この免疫と重要な関わりがあるのが腸なのです。腸は免疫系の非常に発達した巨大な免疫器官であることが知られています。

腸は消化した食物の栄養を吸収する場という印象が強く、免疫と深く関わっているのは意外に思うかもしれません。しかし、腸がもともと体外にあった物質を積極的に吸収しているということは、有害な異物をも侵入させてしまいやすい状態にあるということにもなります。しかも、腸管の内部は常に細菌に曝されている状況にあり、その細菌の一部はどうしても人体に有害なものになってしまいます。

そうすると、侵入してしまった有害物質が体内で散らばってしまう前に入り口で排除してしまう方が効率が良く、腸で免疫系が発達しているのはとても理に適った仕組みと考えられます。

ところで、とても苦しい花粉症について、ビフィズス菌入りヨーグルトを食べると自覚症状が緩和されることが報告されています(1)。

花粉症を緩和させるとするヨーグルトの画像

また、ビフィズス菌(2)、乳酸菌(3)を単独で摂取しても花粉症の症状が改善されることも報告されています。

今回は花粉症に絞って紹介をしましたが、アトピーなど他のアレルギー疾患に効果のあることが報告されている別の菌も存在しています。これらの菌がアレルギーを改善するメカニズムについても研究が進んでいるのですが、それについてはまた別の機会に説明したいと思います。

AuBでは”ファン・サポーターの皆様にいつまでも元気にスタジアムに通ってほしい”という想いがあります。

これから年末年始にかけてサッカー、ラグビーに駅伝などスポーツ界でも恒例のイベントがたくさんあります。さらに、何と言ってもこの冬は平昌オリンピックという4年に1度のビッグイベントがあります。アスリートはもちろん、ファン・サポーターの皆様の体調も整えられてスポーツ界が大いに盛り上がることを願っています。

 

  1. Xiao JZ, Kondo S, Yanagisawa N, Takahashi N, Odamaki T, Iwabuchi N, Iwatsuki K, Kokubo S, Togashi H, Enomoto K and Enomoto T. 2006. Effect of probiotic Bifidobacterium longum BB536 [corrected] in relieving clinical symptoms and modulating plasma cytokine levels of Japanese cedar pollinosis during the pollen season. A randomized double-blind, placebo-controlled trial. J Investig Allergol Clin Immunol. 16(2):86-93.

 

  1. Xiao JZ, Kondo S, Yanagisawa N, Takahashi N, Odamaki T, Iwabuchi N, Miyaji K, Iwatsuki K, Togashi H, Enomoto K and Enomoto T. 2006. Probiotics in the treatment of Japanese cedar pollinosis: a double-blind placebo-controlled trial. Clin Exp Allergy. 36(11):1425-35.

 

  1. Ishida Y, Nakamura F, Kanzato H, Sawada D, Yamamoto N, Kagata H, Oh-Ida M, Takeuchi H and Fujiwara S. 2005. Effect of milk fermented with Lactobacillus acidophilus strain L-92 on symptoms of Japanese cedar pollen allergy: a randomized placebo-controlled trial. Biosci Biotechnol Biochem. 69(9):1652-60.