2018年02月02日

死骸でも 効果があるよ 乳酸菌

”栄養と腸内フローラの関係”について集中掲載しているAuBのActivityですが、第1週の前回は食物繊維と腸内細菌について(http://aub.co.jp/activity/849/)お話しました。第2週の今回は乳酸菌についてお届けします。

近頃はチョコレートや飴などのお菓子、ふりかけ、さらにはカップラーメンまでにも乳酸菌を含めた製品が販売されています。

細菌の増殖には水分が必要ですし、煮沸消毒などが行われるように細菌は熱に弱いものが多いです。乾燥した状態の食品や熱湯を注いで食べるような食品に乳酸菌を加えることに何か意味があるのでしょうか?

乳酸菌は醤油や味噌、漬物、チーズ、ヨーグルトなどいろいろな発酵食品の製造に利用されている、とても有用な細菌です。

また、乳酸菌は発酵の過程において周囲のエサを分解して深みのある味や香を醸し出すだけでなく、その名の通り大量の乳酸を産生するという特徴があります。この乳酸によってできる酸性の状態が腐敗の原因になる菌の増殖を防ぐのに役に立っています。

そして、乳酸菌は腸内でもヒトにとって有害な細菌の増殖を抑えて、腸内環境を改善してくれる役割を果たしています。また、乳酸菌は乳酸以外にも様々な酸を出し、食物の消化・吸収の促進や免疫の調節など腸内環境を整えてくれる機能があることもわかっています。
お腹を押さえる様子

ところで、多くの乳酸菌入りの食品の中には、乳酸菌が”生きて腸まで届く”ことをアピールした食品を見かけます。
実は、細菌のほとんどは胃酸に弱く、自分が出す乳酸で他の細菌の増殖を抑える乳酸菌も例外ではありません。乳酸菌は乳酸を多量に作る能力のある細菌をまとめた名前なので、細菌の分類では様々な種類のものがいます。

口から入っても腸まで生き残るのはごくわずかな乳酸菌ですが、”生きて腸まで届く”乳酸菌は腸までの間に死滅しにくい乳酸菌が選別されているのです。

そこで、冒頭の疑問についてなのですが、ほとんどは生きて腸までは届かない乳酸菌ですが、乳酸菌については死骸でも腸内環境や免疫に良い影響があることが報告されています(1)。

前述の乳酸菌入りの食品の原材料を見ると、”殺菌乳酸菌粉末”と記されているものもありますが、乳酸菌は死骸でも摂取すると効果があるのです。

全ての食品が加えている乳酸菌成分の機能を証明しているわけではなく、鵜呑みにするわけにはいきませんが、機能を表示している食品も含め、特定の食品に偏らず、バランスの良い食事を心掛けましょう。

次回は”栄養と腸内フローラの関係”について、論文を紹介する予定です。

1. Terada A, Bukawa W, Kan T and Mitsuoka T. 2004. Effects of the consumption of heat-killed Enterococcus faecalis EC-12 preparation on microbiota and metabolic activity of the faeces in healthy adults. Microb Ecol Health Dis. 16(4):189-94