2018年04月27日

横田真人コラム~地面の種類によるランニング時の影響

みなさんこんにちは。AuB株式会社 顧問の横田真人です。

中距離選手(陸上競技)を引退してもう1年以上が経ちますが、いまだに自分の意思でジョギングに行ったことが一度もありません。(苦笑)

4月に入り、気温もあがってきて、街中にジョガーも増えるのを見かけると「そろそろ始めるか!」と思うものの、靴紐を締めるには至っておりません。

 

そんな私も現在は、中長距離選手のコーチをしております。中長距離の選手の練習はだいたい週に2-3回陸上競技場にいって練習をし、それ以外の練習はジョギングというのが一般的です。

読者のみなさんはランニングをする際、どのような場所を選びますか?海外の選手は舗装されていない道を走ります。日本人の選手でも、そういった選手は増えてきたものの、いまだにトラックやアスファルトなど固いサーフェイスでランニングを行う選手が多いのが現状です。今回はランニング時の地面の違いにおける体への影響を書きたいと思います。

 

日本では、どこにでもあり、手軽でもあることから、コンクリートなどの道路で行うことが多いでしょう。しかし、固い地面でランニングをするのは、疲労や故障の観点から考えると、あまり勧められるものではありません。

ランニングをする際、何万回、何十万回、何百万回も地面に足をつきます。ランニング時の着地でかかる脚への負担は体重の3〜5倍とされています。また、ランニングという動作は、地面を押して走るのではなく、地面にエネルギーを伝え、返ってきたエネルギー(地面反力)を推進力にして体を前に進める動作です。

公園でランニングをする姿つまり固い地面で走るということはそれだけ地面反力も得やすいですが、反力も大きく体への負荷がさらにかかります。ボールを叩きつけた時、アスファルトに叩きつけるのと土に叩きつけるの、どちらがボールが跳ね返るかを想像していただくといいかもしれません。体への負荷が大きいということは、それだけ怪我のリスクが上昇するということでもあります。
また、固い地面でのランニングをおすすめできない理由として、貧血になりやすくなるということがあげられます。ランニングでかかとが地面に着くときにその重さが足裏の赤血球を踏みつぶし、赤血球が破壊されます。

それにより、溶血性貧血というものになりやすくなります。一般に貧血は血液中のヘモグロビンという血色素が減少している状態をさします。ヘモグロビンは酸素を体の隅々まで運ぶ役割をしています。そのため、貧血になると体のいたる所が酸欠状態になり、疲れやすくなる、動悸がする、息切れがする、めまいや立ちくらみが起こる、頭痛がするといった症状で悪化すると日常生活も困難になります。

貧血は食事だけでなく、トレーニングから防ぐことができるのです。
日本からアメリカに渡った時、一番はじめに指導をされたのが、靴のソールの厚さ(厚いものを履け)とジョギング時の地面(柔らかいところで走れ)でした。昨年、オーストラリアからきた選手をアテンドしたときも、「トレイル(舗装されていない道)はどこだ?」と真っ先に聞かれました。また、世界で最も有名な中長距離コーチの一人、アルベルト・サラザールも「Stay on the trails(舗装されていない道を走れ)」をコーチングの原則に掲げています。それだけ、自分の足を大事にすることが怪我の防止、パフォーマンスの向上に繋がるということでしょう。

 

日本で舗装されていない「足と血液に優しいランニングコース」を探すのはなかなか大変ですが、足と血液を大事に、楽しいランニング生活を送ってください。AuBはみなさまのアスリート寿命を伸ばすことを使命にしております!