コロナ禍で腸内環境に変化、免疫力を制御する酪酸菌が減少 ‐京セラとの共同研究‐

AuB(オーブ)(株)(東京都中央区)は、京セラ(株)(京都府京都市)との共同研究で、「在宅ワークによる運動量の低下を原因に、免疫力をコントロールする酪酸菌が腸内から減少する」などの結果を得ました。


共同研究は、京セラが進める「健康経営」の一環として実施。コロナ禍期間の2020年2月から6月にかけて計3回、同社55人を対象に、便に含まれる腸内細菌のDNAを解析し、その変化の推移を当社研究チームがまとめました。
研究では、食事改善指導が「ビフィズス菌」の保有率に良い影響を与えることも分かっています。
今後はこうした腸内環境の変化も健康経営の指標の一つに生かせないか、両社で検討していく考えです。

<研究概要>
当社AuBは、京セラと腸内細菌に関する共同研究契約を2020年2月に締結し、人の健康寿命の延伸に貢献することを目的として研究を進めています。その一つが、「健康経営」の仕組みやビジネスモデルを構築する取り組みです。
この度、21-63歳の京セラ社員55人(うち、健康診断で生活習慣の改善が必要とされた特定保健指導対象者14人)を対象に、便に含まれる腸内細菌のDNA解析を実施。腸内細菌の種類やバランス調整菌(善玉菌)とバランスかく乱菌(悪玉菌)などの構成を、2020年2、5、6月の計3回測定し、その変化の推移を当社研究チームがまとめました。
また同じ55人には、管理栄養士が食生活等のアドバイスをする、当社独自の「健康経営プログラム」も4月1日から12週間、対話アプリ「LINE」を活用して行っています。

<研究結果>
今回の実証実験の最初と最後の測定を検証したところ、以下の2点が明らかになりました。
【1】免疫細胞に働きかけ、免疫力をコントロールする「酪酸菌」が減少。(酪酸菌は一般的に食品からの摂取が難しい菌とされ、また適度な運動は酪酸菌を増やすという論文がある)
今回採便した55人の大半は、4月から在宅ワークに切り替わっており、通勤・運動時間が減ったことが酪酸菌減少の要因と考えられる。また特定保健指導対象14人の酪酸菌の保有率がマイナス約3ポイントとなり、その他の者より大幅に減少した。14人は適度な運動がさらに必要であると言える。
【2】一方、「健康経営プログラム」の食事改善指導等で「ビフィズス菌」の保有が増える好影響があった。

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