食物繊維は「量」より「種類数」が健康に重要!「日本スポーツ栄養学会 第8回大会」で研究結果を発表

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000049031.html

理想的な腸内環境を追求し、腸内細菌の研究をベースに腸ケア商品を開発・展開するAuB(オーブ)株式会社(本社:東京都中央区 代表:鈴木啓太)は、食物繊維の「量」より「種類の多さ(種類数)」が健康にとって重要であることを、腸内環境の研究結果から導き出しました。 

当社は今回、摂取する食物繊維の「量」より「種類数」の多さが、「腸内の細菌の多様性指数(種類の豊富さ)」と「酪酸菌(酪酸産生菌)の占有率」の双方に好影響を及ぼすことを確認しました。2つの数値は高いほど、腸内細菌の状態が良好であることを表すほか、ヒトの健康に有用であることが知られています。

今後、こうしたデータを、アスリートと一般の方への“腸活指導”や、食品などの商品開発に活かします。
研究は、成人の一般男女160人を対象に、「便中の腸内細菌の解析」と「アンケート調査」を行っており、その結果を「日本スポーツ栄養学会 第8回大会」で発表しています。

研究の背景・目的一般的に、「食物繊維」と「運動」が腸内環境に良い影響を与える要因と考えられています。「運動」に関してはこれまで、運動量・強度が極端に高いアスリートの方が一般人より腸内環境が健康的(多様性と酪酸菌の占有率が高い)であることなどを当社で解明し、学会ほかで発表してきました。一方で、「食物繊維」はどのように摂取すれば腸内に良いのかなど具体的な点は明確になっていませんでした。
そこで本研究は、摂取する食物繊維の「量」と「種類数」に着目し、どちらが腸内環境に好影響を及ぼすかを明らかにすることなどを目的とし、実施しました。

研究概要
本研究は、20~50歳の一般男女160人の被験者を対象に、収集した便に含まれる腸内細菌のDNAを解析しています。また被験者全員に「食習慣」に関するアンケート調査を実施しています。食習慣のアンケートでは、普段食べている主食と主菜、副菜の種類や量に加えて、ジュースやアルコールといった嗜好性飲料や、調味料の種類などを調査。それらの内容をもとに、摂取している食物繊維の「量」と「種類数」を算出しました。「量」もしくは「種類数」の多い被験者層を上位とし、少ない層を下位として2群に分類。各2群間で、腸内細菌の状態を測るための指標として代表的な「菌の多様性を示す指数(多様性指数)」と「酪酸菌の占有率」を比較しています。なお「種類数」は、食物繊維を多く含む芋、緑黄色野菜、キノコ、海藻、豆、果実類の6食品群のうち3食品群以上について、被験者全体の平均値以上を摂取しているかという点を境に上位と下位に分類しています。
なお、食物繊維にはイヌリンや難消化性デキストリンなど、様々な種類があります。多様な種類の食物繊維を摂取するには、日々、より多くの種類の食材を摂ることが重要です。
研究は2017年9月から2018年6月に実施した検査結果をもとに行っています。

<研究結果>
食物繊維の「種類数」多いと、腸内細菌の多様性指数と酪酸菌の割合の双方有意差
食物繊維の種類を多く摂取している上位群の方が、少ない下位群より、「菌の多様性指数」と「酪酸菌の割合」の両方で有意差(有意水準5%=P値0.05以下、以下同じ)が認められました。

食物繊維の「量」がいと酪酸菌割合のみ有意差
食物繊維の量を多く摂取している上位群と少ない下位群では、両者の「菌の多様性指数」に有意差が認められず、「酪酸菌の割合」のみ上位群に有意差が認められました。

食物繊維の「量」が多いと、酪酸菌の割合のみ有意差
このように、食物繊維の「量」より「種類数」の方が、多様性指数と酪酸菌の割合の双方において有意差が認められました。
また、「種類数」と「量」の上位群を比較すると、「種類数」の上位群のほうが摂取する食物繊維の量(1日あたりの平均)より1.8g少ないにも関わらず、腸内細菌の状態が良い結果を得ました。
以上のことから、食物繊維は摂取する「量」より「種類数」の方が、腸内細菌にとって、ひいてはヒトの
健康において重要であると結論づけました。

日本スポーツ栄養学会で発表

当社は本研究結果を、「日本スポーツ栄養学会 第8回大会」(2022年8月27日開催)で発表しています。本報道資料では学会で発表した内容から、食物繊維の研究のみを抜粋し、記載しています。

<考察> 
当社の取締役・研究統括責任者の冨士川凛太郎は、今回の研究結果について、以下のように考察しています。 
 『腸内にはおよそ数百種類の菌が存在していると言われています。それぞれ資化する(エサにする)食物繊維の種類が異なるため、摂取する食物繊維の「種類数」が多いと、より多くの菌を活性化させることにつながると考えられます。 
また腸内細菌は食物繊維を資化する際に、短鎖脂肪酸(乳酸、酢酸、酪酸、プロピオン酸)を産生します。これらは主に大腸が、ぜん動運動をする際のエネルギー源として利用されるほか、腸粘膜のバリア機能を高めるなど、腸の健康に欠かせない物質であることが近年の研究で明らかになっています。 
腸が健康になると腸内に棲んでいる細菌たちにとっても活動しやすい環境となります。そのため、腸内細菌を“元気”にするために、毎日の食事の中で多くの種類の野菜や果物を摂取するなどして、より多種の食物繊維を摂取することが、腸内環境を整えるのに重要であると考えています。』 

<これまでの主な研究発表について>
当社AuBはこれまで、500人・1000検体以上のアスリートの便(腸内環境)を解析した結果として、2018年10月の「日本農芸化学会」で、アスリートは「酪酸菌」が有意に多い特長があることを発表しました。 「酪酸菌」は、免疫機能を整えたり、腸の動きを活発にしたりする働きがある菌で、一般の方の約2倍あることを突き止めています(一般の方は腸内細菌の全体数のうち2~5%が酪酸菌なのに対してアスリートは5~10%と約2倍の割合)。
また、2022年7月の「腸内細菌学会」では、便中の腸内細菌を解析した結果、日常の運動量が多い人ほど、酪酸菌の占有率が高くなり、酪酸菌とビフィズス菌の占有率を合わせるとほぼ一定の割合となる傾向があることを発表しています。

■AuBについて
当社は、科学的根拠に基づいた腸ケア商品を販売するフードテック企業です。元プロサッカー選手の鈴木啓太が創業し、「すべての人を、ベストコンディションに。」というミッションのもと、現在注目が集まっている”腸活”に関わる腸内細菌の研究を7年以上行っています。体調管理のプロフェッショナルであり、理想的な腸内環境を持っているトップアスリートの腸内細菌の保有数が世界トップクラスであるなど、確かな裏付けをもとにした商品開発を強みとしています。